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SOMETIME’S、初取材。不思議な縁に導かれた〈同級生バンド〉の全貌とは

text by 永堀アツオ

ベースレスの3ピースバンド、form a novelの解散後、スタジオミュージシャン/サポートギタリストとして活動してきたTAKKIと、横浜のライヴハウスの店員をしながらバンドを続け、社会人経験もあるヴォーカルのSOTA。二人がソウル、ファンク、R&B、アシッドジャズやハウスをJ-POPに昇華した二人組のバンド、SOMETIME’Sを結成したのが2017年。28歳という年齢を迎えた同級生である二人は、どうして音楽を諦めなかったのか。セカンドキャリアのスタートにどんな思いで挑んだのか。Official髭男dismやスカートを擁するポニーキャニオン内のレーベル「IRORI Records」への所属が決まり、5月26日に自身のルーツが詰まったセカンド EP「Slow Dance EP」をリリースする彼らに、一度はバンドから離れたものの、夢を諦めきれなかった意地や葛藤を聞くつもりでいたが……結末はこちらの予想とは全く違うものとなった。



ユニットを結成した経緯からお伺いできますか。


TAKKI「初めて話をしたのは、21歳の時かな。2012年当時、SOTAがやっていたバンドのイベントに、僕が組んでいたバンドを呼んでもらったのがきっかけなんですけど、もともとは高校と大学の同級生だったんですね。だから、お互いにぬるっと存在は認識していて」


そうなんですね!? では、高校時代の話から聞かせてもらえますか。


SOTA「僕はラグビー部だったんですけど、ラグビー部が終わったあとに友達に誘われてバンドを始めて。そのバンドは1年ぐらいで解散しちゃったんですけど、4人組だった先輩のバンドに『ツインヴォーカルでやりたい』って誘われて入ったのが、TAKKIと会った時のバンドです」


TAKKI「高校時代は軽音部で同級生とコピバンをやってました。ACIDMAN、10-FEET、ミッシェル(・ガン・エレファント)とか。そのあとは、紆余曲折あって、 sumikaの小川(貴之/キーボード&コーラス)と始めたバンド——from a novelが4年間続いて。小川も同じ高校でSOTAと面識があったんですけど、やってる時にしっかりと音楽の道を目指し始めた感じですね」


高校、大学の同級生だけど、別々のバンドで活動していたんですね。


SOTA「そうですね。僕はそのバンドでは自分のやりたい音楽は全く消化できてなくて。ただ、単純にバンドとしての動きや生き様を勉強させてもらおうと思って入ったところがあったんです。だから、そのバンドが2016年末に解散するってなった時に、音楽を辞めるつもりはなくて。from a novelは僕らより2年前、2014年12月に解散していて。TAKKIはサポートミュージシャンをしていた頃だったので、『一緒にやんない?』って誘って」


TAKKI「前のバンドは長いこと話し合った末に解散したんですけど、僕もとりあえず、音楽を辞めたくなくて。どうしようかな〜ていう日々を2年くらい引きずっちゃったんですよね。いろんな誘いはあったんですけど、簡単にバンドを組めなくなっちゃっていたので、セッションギタリストとしてキャリアを積んでおこうと思って。いろんなサポートをしている中で、2017年の初めにSOTAに誘われて。SOTAなら人間的な部分も知っているし、悩む必要もないなと思って、その場で『じゃあ、やろうか』ってスタートした感じですね」


SOTAさんはどうしてTAKKIさんを誘ったんですか。


SOTA「プレイヤーとして音を聴くだけでTAKKIだってわかるくらいキャラが立ってたのもありますけど、高校と大学が一緒だっていうのが大きかったですね。育った環境が一緒だと、安心するところがあるというか。同じ場所で10代を過ごしてるから、あまり言葉にする必要のない部分がでかかったなって思います」


二人とも「音楽を辞めるつもりはなかった」と言ってましたが、前のバンドが解散したあと、それでも音楽を続けようと思ったのはどうしてですか。


SOTA「やっぱり、心のどこかで自分がやりたい音楽をやり切るまでは辞められないというのがあったんですよね。小学4年生の時に学校で唄ってたら、友達に『歌がうまいね』って言われて。中学でも高校でも言われて、勘違いし続けてここまで来た感じなんですけど(笑)、やれるだけやろうっていうのはずっとあって」


SOTAさんは社会人経験もあるんですよね。


SOTA「そうですね。なんというか、親父を説得しないといけないタームがあって。中学時代はサッカーをやってたんですけど、高校のサッカー部は朝練がだるくてすぐに辞めちゃって。そこで、本当は音楽をやりたかったんですけど、親父に『絶対に運動をやれ』って言われて、ラグビー部に入って。大学時代はそのツインヴォーカルのロックバンドをやるんですけど、卒業後は『正社員じゃないとダメだ』って言われて。バンドのメインヴォーカルがライヴハウスの店長で、社長が大学の先輩でもあったので、そのままライヴハウスに入社して。体裁的には正社員で、バンドを続けられていたっていう。でも、それが解散になり、自分がやりたいソウルやR&B、AORが消化しきれてないので、最初は別の会社で働きながらSOMETIME’Sを始めて」


社会人経験は、ご自身にとっては遠回りでしたか?


SOTA「今となっては良かったなって思います。別の会社というのも、当時のヴォーカルがやりだしたベンチャー事業についてった感じだったんですね。そこで、嘘くさい大人は気持ち悪いなと思って。こだわりのないニッチな大人は嫌いだってことに気づけたことは良かったと思います」


一方、TAKKIさんはサポートギタリストとして2年間活動してますね。その前にギターを始めたきっかけも聞いていいですか。


TAKKI「僕も中学までサッカーをやっていたんですよ」


そうなんですね!? もしかしたら二人とも高校のサッカー部で出会ってたかもしれないと思うと、不思議な縁ですね。


TAKKI「ほんとですね(笑)。とにかく体力がなかったので、サッカーを辞めてしまって。当時、hideさんにハマって、華やかなバンドにも漠然と憧れを抱いていたので、エレキギターいいなと思って、通販で買った1万円くらいのエレキギターから始めたんですね。その後、習い事みたいな感じでギタースクールに通ってから、松田聖子さんのツアーにも参加されてる花木雅弘さんという師匠に出会って」


そのままサポートギタリストとして進んでいく道もあった訳ですよね。


TAKKI「そうですね。音楽スタジオに7年くらい勤めてるんですけど、そこで正社員になるか/ならないか、みたいな話はあって。ほんとにやりたいことじゃないけど、音楽に関わってる仕事だし、みたいな。自分を正当化していくというか、大人になると、どんどん言い訳が身体の中に入ってくるんですよね。自分で本当にやりたいかどうかもわからないまま、スタジオミュージシャンになって、お金をもらえるようになって。まだ全然うまくもないのに、慕ってくれる後輩にレッスンも始めて……。このままギタリストしてキャリアを積めば、自分ひとり食えるくらいのお金は稼げるけど、自分がやりたいことは全然違うところにあるんじゃないかっていうジレンマとずっと戦ってましたね、2年間」


でも、その2年の間、諦めなかったわけですよね。


TAKKI「結果論ですけどね。その間も、気持ちはめちゃめちゃ揺れてましたし。自己嫌悪に陥って、働こうかな、音楽スタジオで社員になろうかな、みたいな。その繰り返しで、2ヵ月にいっぺんくらい病んでましたね。結果として、諦めなかった感じがありますけど、自分としては、運が良かっただけだと思ってます。落ちた時にNeggicoのライヴのサポートの仕事が来たり、落ちた時にSHE IS SUMMERの仕事が来たり、落ちた時にSOTAに誘ってもらって……。ほんとに運が良くて、音楽が続けられただけというか。あと2ヵ月仕事が来なかったら辞めていたかもしれないって思うことはすごくありますね。周りに助けられた、ただそれだけだと思います。自分の確固たる意思がそうさせたっていうことではないと思いますね。いつでも辞められたと思ってます」


ちなみにセカンドEP「Slow Dance E.P.」の最後に収録されている「シンデレラストーリー」はいつ頃にできた曲ですか。〈淡い情熱が胸の裏でまだ煙をあげてる〉〈火種はあの頃のまま/夢見た少年のまま/脈打つように 僕は諦めない〉と唄ってますよね。


SOTA「僕とTAKKI、二人で初めて作った、全く同じ名前の自主制作盤があって。当時、サラリーマンと、スタジオで働いていた二人が、なけなしの金でどうにかこうにかして作った盤だったんですけど、その中に〈Slow Dance〉と〈シンデレラストーリー〉、それにSOMETIME’Sとして始めて作った曲で、ライヴでは必ずやる〈STAND BY ME〉という3曲が入ってたんですね。その盤ができて、サラリーマン辞めようと思ったんです。お互いに30手前で新しく始めようって言って。音楽業界で言ったらもう若くもなかったけど、二人だけでどうにかできた。このスタイルでいいなって決まった時の曲でもあって。これからどうにかこうにか、やるか、みたいな時の歌ですね。当時で言えば、1番のAメロ〈例えばおとぎ話なんてのは/夢の中だけの物語だったとして〜時間だけ過ぎていた〉みたいな心境でしたけど、どうにか後半の希望のある立ち位置までは来れたのかなとは思ってます」


〈陽はまだ昇る〉まで来てる?


TAKKI「今までは陽が沈んだあと~深夜0時で、明日も晴れるっしょって思いながらやってたけど、今は午前2時くらいの感覚ですね。当時と、明日も晴れて陽が昇るっしょっていう感覚は何もずれてないし、今はまだ昇ってないことは確か。それでも、明らかに時計の針は進んでるし、間違いなく前に進んで歩けてるっていう自信はあります。とは言っても、まだ数字という結果は何も出せていない。始まったばかりで、売れるかどうかもわからないものに、これだけ投資してくれる人がいるっていうのは、すごく嬉しいですけど、まだ自分たちが何か成功して、メジャーシーンにいるっていう感覚ではない。なので、ほんとに恵まれたなっていう感覚のほうが強くて。ジョインしてくれる仲間や自分たちの楽曲に夢を載せてくれる人が増えたのは、プレッシャーでもあるけど、すごく光栄だし、嬉しいことだなっていう感覚に近いですね」


ここからがスタートということですよね。この少年=SOMETIME’Sが見てる夢というのは?


SOTA「僕ら、二人で始める時に音楽的なすり合わせは一切してなくて」


TAKKI「めちゃめちゃ根幹のところだけすり合わせたんですね。やるならちゃんとメジャーを意識できるところにいたいねって」


SOTA「あとは、一応、でかい目標だけ決めました。ここまで行ったら成功にしようって。カリフォルニアに自分らでスタジオ建てたら成功にしようっていう話だけはして。僕がけっこう、出来もしないことを言うのが大好きだし、小4の時からずっと、漠然とした訳のわからない自信みたいなのはあって。ただ、何かを成し遂げたから今があるって感覚はないんですね。たまたまいいところでいい人に巡り合ってやってもらって、あざーす!みたいな(笑)」


(笑)何度打ちのめされても立ち上がってくる不屈のボクサーかと思ってたんですが。


SOTA「パンチだけ食らわなければ勝てるって思って、ずっとのらりくらりとかわしてきた感じですね(笑)。自分たちが強い精神を持ち合わせていたわけじゃないんです。TAKKIとの関係性もそうだし、縁が縁を呼んでここまで来れたって感覚が強いんですよね」


文=永堀アツオ


NEW EP「Slow Dance EP」
2021.05.26 RELEASE

01 Slow Dance
02 Never let me
03 interlude
04 Raindrop
05 HORIZON
06 シンデレラストーリー

購入はこちら


SOMETIME'S オフィシャルサイト https://sometime-s.jp/

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