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【編集部通信】厄年を迎えるにあたって、そしてこの仕事をする上で思うこと

text by 宇佐美裕世

『音楽と人』の編集部員がリレー形式で、自由に発信していくコーナー。エッセイ、コラム、オモシロ企画など、編集部スタッフが日々感じたもの、見たものなどを、それぞれの視点でお届けしていきます。今回は厄年を迎えた編集者が、ある体験をとおして感じたことを綴ります。



厄年、厄年、厄年、厄年、厄年、厄年……年明けから頭の片隅にいる言葉だ。


私は今年が厄年である(正確には前厄)。去年までは、〈そんなの気の持ちようでしょ~?〉なんて思っていたが、いざその年に突入してみると不安を感じてしまう。お払いに行ったほうがいいのかな? 行くとしたら地元の神社がいいけど無理だしな、なんて考えていたら1月の1週目が終わる頃、ひとまず都内の神社へ行くことにした。いざ、お祓いへ。しかし、そこでは特筆すべきことは無く、粛々とお祓いを終えて家に帰ることに。そして、その日の夜は友達と電話をすることになったが、その時以下のような会話をした。


私「今日お祓いに行ってきたんだよ」
友「あ、私もこのあいだ行った」
私「やっぱ一応行くよね」
友「何かあったら嫌だし。厄年怖いもん」
私「怖いよねー」
友「今年を無事に過ごせるか不安だから、私は今年の運勢も占ってもらったよ」
私「えっ」


なんと、友達は無事に1年を過ごせるかをわざわざ占ってもらったという。厄年対策の徹底っぷりにも驚いたが、何より驚いたのが、友達は占いを〈LINE〉上で行ったということ。


どうやら最近はLINEで占いができるらしい。あのトークルームの中でこちらから質問を投げかけると、占った結果を返信してくれるという……気になりすぎて私もトーク占いを体験してみることにした。が、占い師の数が多過ぎて誰にすればいいかわからない。占い師ごとに得意な項目(仕事運、恋愛運、金運)があったり、占術方法(四柱推命、タロットカード、霊視)もさまざまらしい。私はとりあえず、1分あたり100円という一番安価な人に依頼してみた。高い人では1分あたり300円という人もいて、仮に10分間占ったら3000円もかかることになる。それだったら宅配ピザでも頼みたいな、と思いつつ〈どんなに長引いても10分で終える〉を目標に掲げ、トーク占いデビューを果たすことになった。


まずは普通に「こんばんは」などの挨拶から始まった。その後、占い師のほうから「今日はどんなお悩みですか?」と聞かれたが、そのタイミングでは特に悩みが無かったので「今年の運勢を知りたいです」と返信。すると、生年月日などをもとに基本的な性格から見てくれた。以下、占い師とのやりとりはこんな感じ。


占「宇佐美さん、すごく真面目な方ですね」
私「よく真面目って言われます」
占「あとすごく信念が強いですね」
私「ああ、よく頑固とも言われます」
占「念が本当に強い方なので……引き寄せる力がありますね。願い事が頻繁に叶いませんか? いいことだけじゃなくて悪いことも思いどおりになるから、なるべくいい方向にエネルギーを使ってほしいんですけど……」


開始数分で私は度肝を抜かれた。なんでって、今までの人生で〈こうだったらいいのにな〉が実現することが多かったからだ。こうやって書くと、もんのすごい力を持っている感じに見えるがそんなことはない。本当に何でも叶うならコロナをとっくのとうに収束させている。別に宝くじで大金を当てたこともないし。でも印象に残っているのは、親友の結婚式での出来事だ。


私はスピーチを任されていたが、わざわざ大勢の人の前で親友に伝えたいことがなく、何を話そうか悩んでいた時期があった。そんな中、ふとあることを思い出したのだ。それは、親友と旦那さんが出会ったきっかけ――彼女はある女性声優(仮にAさんとする)が好きで、その声優のライヴ帰りにグッズのTシャツを着たままカラオケに行ったという。すると、カラオケの受付で男性店員から「それ、Aさんのグッズですよね? 僕も好きなんです」と話しかけられて意気投合し、交際に至ったという。つまり、2人の赤い糸を結んでくれたキューピッドはAさんなのだ。


それを思い出した瞬間、私は無謀にも〈Aさんからのお祝いコメントが欲しい。そしてそれをスピーチで流したい〉と思った。普通なら〈Aさんにどうやって一般庶民の願望を伝えればいいんだ〉と壁にぶち当たると思うが、基本的には直感が大事!タイプな自分は、すぐさまAさんのレギュラーラジオにメールを送ることにした。正直、番組名すら知らなかったので、ただの通りすがりが懇願するなんて今思えば図々しいな、とも思う。メールには確か〈Aさんのおかげで旦那さんと知り合った親友が、今度結婚式を行います。Aさんから2人へのお祝いのコメントをいただけたら嬉しいです〉的なことを書いた気がする。


そして月日は流れ、私はメールを送ったことを忘れ、やはりスピーチの原稿がまとまらず焦っていた。しかし、結婚式前日になってようやくメールを送ったことを思い出し、ダメもとでタイムフリー機能を使ってAさんのラジオを聴いてみることに。すると、本当に私のメールが読まれたのだ! Aさんの力をお借りしたことで、当日のスピーチは老若男女問わずドッカンドッカン湧きました。


的確な鑑定に、これは期待できる!と思い、私は今年の運勢を見てもらうことにした。結果に関しては、まず全体運は「今年は変化の年です。と言っても悪い変化ではなくて、あなたの人生がもっと良くなるための変化です。だから心配はしないでください」とのこと。続いて仕事運。「去年より忙しくなりそう。体調には気をつけてください。何かクリエイティヴなお仕事をされてますか? 日頃から感性を磨くことが必要なお仕事だし、神経を使ったり大変なことも多いみたいだけど、去年以上にやりがいを感じる瞬間が多いみたいです」。やりがいを感じられるのは素直に嬉しい! でも、なんで職種とか言ってないのに物作りをしていることがわかったのだろうか。そして恋愛運。「あ、去年のお誕生日から今年のお誕生日までがモテ期ですね。次のモテ期は8年後になるので、今年はもし気になる人ができたら重い腰を上げて行動してみてください。うまく行く可能性が高いし、きっとその人と結婚しますよ」。


え、8年後?


今年を逃すと結婚できないの? 次の誕生日まであと9ヵ月くらいしかないのに? 行動って具体的に何すればいいの? そもそも気になる人といつどこでどんなふうに出会うの? そんな疑問が頭の中を駆け巡っているうちに10分を迎えてしまい、私は泣く泣くトーク占いを終了した。モテ期じゃないと結婚できないってわけではないだろうけど〈8年〉の言葉は重い……でも、何だかんだ良い年にはなりそうだ。占い信者ではないけど、けっこう当たってることが多かったから信じてみたい気持ちになる。


特に信じたいのが、この言葉。


「あなたの念の強さは仕事にも生かせます。好きっていう気持ちが、火事場の馬鹿力じゃないけど、驚くような力を発揮できる瞬間が必ずあります。自分の感覚とか、何かを好きになる気持ちや情熱を大切にしてください」


これは正直、日々感じていることでもある。どの記事も熱量を込めて作っているつもりだけど、やっぱり自分が心から惚れ込んだ作品に関わる記事は、読者の方にもちゃんと届いているな、と実感することが多い。記事を作る上で、編集者が注ぐ愛情や思いに嘘はつけないんだな、とも思う。技術的な部分だったり、効率の良さとか、世渡りの上手さとか、この仕事をしていく上で必要なものって探しだしたらキリがない。でも、あくまで自分の場合は〈音楽とアーティストに対する敬意と愛情〉が大事だと思っている。


よし。厄年には負けず、いい記事が作れるよう今年も頑張ります。


文=宇佐美裕世

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