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the peggies、約1年ぶりのワンマン。2020年を通じて見せた北澤ゆうほの大きな変化

text by 白崎未穂

【LIVE REPORT】
the peggies 運命だって信じたいツアー “NIGHT”
2020.11.23 at Zepp DiverCity(TOKYO)

the peggies LIVE “ENCORE”〜supported by DECEMBER’S CHILDREN〜
2020.12.15 at 恵比寿LIQUIDROOM



「アンコールって、最初からやろうとして演奏する曲を決めていたりするんだけど、それってどうなのかなって思ってるんです。アンコールってお客さんが求めてくれるから成り立つものなのに。おかしいよね?(笑)」


2020年12月15日、恵比寿LIQUIDROOMで行われた〈運命だって信じたいツアー〉、そのアンコール。北澤ゆうほ(ヴォーカル&ギター)は、ライヴでアンコールをやるのが当たり前の予定調和になっていることについて言っていた。とはいえ、そのあと彼女らもアンコール用に準備していた曲をやったわけだが、その何気なく発したひと言に、やっぱり彼女はこの1年で変化してきたんだな、と感じた。彼女の変化はバンドの変化。2020年はthe peggiesにとって大きく変化する1年だった。


その変化を目の当たりにしたのは、2020年11月23日にZepp DiverCity(TOKYO)で開催されたツアーファイナル。〈明日が来るのは 少しさびしいけど また絶対に会おうぜ〉と北澤の澄んだ歌声から始まる「明日」がオープニングを飾った。配信ライヴなど映像を通じてthe peggiesの音楽を届けていたが、ワンマンライヴを行うのは約1年ぶりということで、ファンの顔を久しぶりに見ることができる場だ。


そんなライヴの1曲目から〈また絶対に会おうぜ〉とさらに再会を約束してくれるような選曲はめちゃくちゃ憎い演出だと思った。新型コロナウイルス感染防止対策をとった、今までとは完全に違う形式でのライヴとなるため、声を出してはいけない空間で戸惑っているファンに対して、いつも以上に声をかける瞬間が多かった。さらにコードを間違えたり、演奏をやり直したりする場面もあったけど、そんなことを気にする素振りもまったくなかった。それは、自分のことよりも相手のことを思い、気遣う気持ちが大きくなったことで、自然と人を思いやれるようになったのかもしれない。それを象徴するように、〈あなたのことが好きだ〉という秘めた思いが伝わりますように、と願いを込めたラヴソング「センチメートル」では、その日集まったファンひとりひとりに今思っている素直な気持ちを届けようとしている彼女の姿があった。


自分のことで精一杯だった。誰かに自分を認めてもらいたかった。「ありがとう」「優しいんだね」って言ってもらえることでしか、自分を満足させることができなかった。「センチメートル」のインタビューで、北澤はデビュー当時の自分をそう振り返っていた。だけど、この日の彼女は違っていた。インタビューで「自分で自分のことを愛せるようになった」「見返りを求めないで相手を思えるようになった」と発言していたように、自分のことより相手のことを思う彼女の気持ちがステージから痛いほど伝わってくるのだ。1ブロック終わるごとに「ちゃんと私たちに届くから、心の中で大きな声で唄ってほしい」など、オーディエンスに「大丈夫だからね」と言っているように声をかける場面もあった。そうすることで「センチメートル」に象徴される思い――〈この想いが 届きますように〉を伝えようとしていた。この1年で、彼女もバンドも大きく変わったことを実感するライヴだった。


本当の自分を曝け出し、ファンと向き合えるようになった北澤。冒頭に書いた追加公演の恵比寿LIQUIDROOMでは、まったく肩に力が入っていない完全にラフな3人が楽しそうにライヴをする姿があった。ツアーファイナルを振り返るMCでも「みんなが愛おしく思ったし、かわいいなと思ってました。こんなこと言わなくても伝わってるかもしれないけど。……いや、伝えたほうがいいか(笑)」と心の内をそのまま言葉にする北澤。そこには〈認めてもらいたい〉とか〈こう思われたい〉といった思いに囚われていた彼女はいなかった。さよなら、誰かに認めてもらうことでしか愛せなかった自分――2020年を締めくくるステージで、彼女が昔の自分にバイバイと手を振っているように見えた。いつもの自分をそのままステージにさらけ出せるようになったからこそ、冒頭に書いたとおり〈アンコールってどうなの?〉発言が飛び出してくるのだろう。それぐらい彼女は変わることができた。the peggiesにとって2020年とはそういう1年だったのではないだろうか


新曲を作るごとにどんどんカッコよくなっていく北澤ゆうほ。彼女が変化するにつれて、the peggiesも本当の意味で強く逞しいバンドになっていくだろう。これからもその変化を見届けていきたいと思う。カッコいい北澤ゆうほの今後に期待したい!



文=白崎未穂


【SET LIST】
the peggies 運命だって信じたいツアー “NIGHT”
2020.11.23 at Zepp DiverCity(TOKYO)

“NIGHT”

01 明日
02 ドリーミージャーニー
03 LOVE TRIP
04 ネバーランド
05 スプートニク
06 weekend
07 I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。~
08 遠距離恋愛
09 アネモネ
10 花火
11 する
12 スタンドバイミー
13 GLORY
14 青すぎる空
15 君のせい

ENCORE
01 センチメートル
02 そうだ、僕らは


the peggies LIVE “ENCORE”〜supported by DECEMBER’S CHILDREN〜
2020.12.15 at 恵比寿LIQUIDROOM

01 グライダー
02 マイクロフォン
03 スタンドバイミー
04 そうだ、僕らは
05 サマラブ超特急
06 JAM
07 はちみつ
08 weekend
09 ロンリー
10 アネモネ
11 花火
12 センチメートル
13 LOVE TRIP
14 青すぎる空
15 明日

ENCORE01
01 BABY!
02 君のせい

ENCORE02
01 I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。~


NEW SINGLE「センチメートル」
2020.08.26 RELEASE


01 センチメートル
02 花火
03 君のせい(Live Ver.)


the peggies オフィシャルサイト https://thepeggies.jp/

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