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INTERVIEW
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MUCCドラマーSATOち、バンド脱退を語る

10年後のMUCCってものを想像した時、自分がMUCCの進化についていけてるとは思えなかった



でもそれはSATOちに限らず、逹瑯(MUCC、ヴォーカル)だってYUKKEだって楽しむどころか怒られないようにやるので精一杯だったじゃないですか。


「うん」


でもそのおかげでMUCCはどんどん大きくなっていって、それは応援する立場として嬉しかったけど、でもそうなる前の楽しくバンドやってる頃の4人のことを俺は知ってたから。


「昔から俺らのこと見ててくれたから」


なんでああだった4人がこうなっちゃうの? これってどうにかならんの?っていうのがあって。でも、少しずつだけど関係性が変わってきて。逹瑯がミヤくんに意見言えるようになったし、YUKKEも成長したし。


「でもやっぱり俺は無理だなって思ったの。それ、『惡』のレコーディング終わった時、改めてそう思った。例えば10年後のMUCCってものを想像した時、自分がMUCCの進化についていけてるとは思えなかった。じゃあそんな先じゃなくて5年後だったらどうだろう?って考えたけど、やっぱり無理だなって。じゃあ1年後だったらどうだろう?って考えた時に……ヤバい、1年後でも無理かもって」


それだけ『惡』のレコーディングはキツかったと。


「ダメだった。で、レコーディング終わったらコロナが来て、一人で考える時間ができて……っていう」


あの頃ちょうど「PHY」の取材があったでしょ。インタビューは確か緊急事態宣言が出る直前で。


「俺、緊急事態宣言の日に初めてメンバーの前で言ったの。『もうしんどい』って」


4月7日。その日に確かミーティングがあったんだよね?


「そう。でもそのミーティングは俺のことじゃなくて、ぴあアリーナをどうするか?っていうのを話し合うために集まったんだけど、今後のドラムのレコーディングはどうする?っていう話にもなって。ドラムの先生をつけようか、レコーディングは違う人が叩く、とかいろんな話が出て。でもそれよりとにかく『惡』の曲をライヴで叩けるようにならなきゃいけない。で、リーダーから『期限を設けるから、それまでに叩けるようになってほしいんだけど、もしそれができなかったらどうする?』って言われて」


そう言われてなんと答えた?


「『じゃあそれまでに納得いくようなドラムが叩けなかったら、脱退します』っていうのをその時に言いました」


どうしてその時いきなり「脱退」なんて言葉を言い出したの? そういうことを話し合うミーティングでもなかったのに。


「やっぱりそれは……〈M.A.D〉の時に、何も言えなかったから。あの時『どうすんだ?』ってリーダーに聞かれて黙り込んじゃったけど、今度はちゃんと自分の気持ちを言おうと思って。だから『どうすんだ?』って言われて、あの時言えなかった『辞めます』っていうのを言おうと思った」


そっか。


「あと、その前から『惡』の曲をライヴで叩けるようにしなきゃって、毎日スタジオ行って練習してたんですよ。個人練。で、自分なりにそういうことを毎日やってた直後に言われたこともあって、心が折れちゃったというか……」


もう無理だって?


「その時も毎日スタジオ入ってて、もう自分のレベルがわかってたから。ここから自分でも納得できるようなドラマーには一生なれないだろうなって」


それから何日か経ってから「PHY」の撮影があって。あの時のSATOち、すげえ暗くて。あ、なんかあったんだなって。


「その時も『何だオマエ、元気ねえな』って言われた。でもその時はちょっと優しかった、樋口さん」


それぐらいSATOちの様子がおかしかったんだよ。


「よっぽどだったのか……」


でも今までだってみんな順ぐりにヘコんだり傷ついたりして、それでも頑張って続けてきたじゃんか。


「でも逹瑯はどんどん歌が上手くなっていくし、YUKKEも自分の個性を出していろんなベース弾くようになって。でも俺だけが追いついてないというか、足を引っ張ってる感じだったから」


これ何回も言ってるけど、俺が初めてMUCCのライヴを観た時、一番いいと思ったのはSATOちのドラムで。でもそれを絶対に信じてくれないし。


「うん。だってそんなわけないって思っちゃう」


つまり、ずっとドラムに自信を持てないままここまでやってきた。


「そう。俺、自信持ってライヴやったことあんのかな……」


でも楽しかったライヴもいっぱいあるでしょ?


「いっぱいある」


MUCCってメンバーにとっては楽しくないこととか辛いことが9割で。でも残りの1割に楽しさとか喜びとか幸せが凝縮されてるバンドだと俺は思ってて。その1割の楽しさのために苦しい思いをいっぱいする、みたいな。


「うん」


でもSATOちはとうとう9割の辛さに耐えられない状況にずいぶん前からなってたと。


「うん……なってしまった。自分の中でずっと抑えてた防波堤が全部崩れてしまったから」


話を整理すると、まず4月7日のミーティングで「期限までにできなかったら脱退する」と宣言して、辞める意志をちゃんとメンバーに伝えたのが5月の自粛明けのタイミングで。


「5月20日」


その直前にウチの取材をYUKKEと2人で受けたのを覚えてる? 夜の公園で、遠いところから望遠レンズ使って盗撮みたいな写真撮って。


「覚えてる。あの時、YUKKEに会うのも久しぶりで。写真撮られながら、普通の世間話をしてたんだけど、その時にYUKKEはもう俺の腹が決まってるような気がしたらしい」


で、5月20日に改めて話をした。


「4人だけで集まって話す時間を設けてもらって。まずリーダーから『脱退したいっていうのは本当か?』って聞かれて『うん』みたいな。ドラムに対してのモチベーションがなくなってしまったっていうのを伝えた。MUCCはどんどん進化していくバンドだけど、俺はもうついていけないっていう話をした」


みんなの反応は?


「逹瑯は、去年のツアーの頃とかも俺を見てすごくしんどそうだったから、止めようとは思わないって。YUKKEには前の日に会っていろいろ話してたんで、俺の決心は変わらないことを知ってて。でもリーダーは最初、どこまで俺が本気で言ってるのかわからなかったみたい。『それ、ギャグなの?』って言われたから『や、本気だよ』って。そしたら『そっか、わかった』って。『じゃあ一回社長とか集めてミーティングしよう』って」

ワンマンに地元の友達が来ると、すっげえ楽しそうにしてるんですよ、リーダー。俺もミヤと……そうなりたい

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