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INTERVIEW
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Nothing’s Carved In Stone、セルフカヴァー作『Futures』が教えてくれるバンドのあり方

text by 樋口靖幸

熱り立つように音と音が激しくぶつかり合う様子に、いつかバンドは疲弊してしまうのではないかと思った10年前。そんな当時の彼らのピリピリとした空気が嘘みたいに思える作品が完成した。バンドの代表曲がリテイクされたセルフカヴァーアルバム『Futures』は、かつての4人とは違う、今の関係性がそのままパッケージされた2枚組全20曲だ。タイトなバンドサウンドと4人の溶け合うようなグルーヴィーなプレイ。そこには、バンドが独立したことによって新たに築かれた4人のリレーションシップがある。裸になり、本音で意見を言い合う、忖度も遠慮もない関係。でもそこには今まで彼らになかった確かな絆が生まれている。不透明で心もとないこの状況下で、彼らのように腹を括ることができたら、向こうから明るい未来がやってくるのではないか――。そんなふうなことをカッコよく、ちょっと大げさに言いたくなるようなインタビューだった。

(これは『音楽と人』9月号に掲載された記事です)



撮影を見てて思ったんですけど、4人の距離感が付かず離れずというか、ソーシャルディスタンスだなって。


日向秀和(ベース)「全然そんなことないですよ」


生形真一(ギター)「昨日もみんなでご飯食べに行ったし。ミーティングを兼ねてですけど」


けっこう4人で行ったりするんですか?


生形「独立してからは定期的にそうしてますね。会って話したほうがいろんなことがサクサク決まるし。昨日も飯食いながらだったけどすぐ話がまとまって」


最近だとLINEで済ませるバンドも多いみたいですが。


大喜多崇規(ドラム)「ウチらはLINEをそういうツールとして認めてないっていうか。スケジュールの確認ぐらい」


村松拓(ヴォーカル&ギター)「みんな会いたがるよね」


生形「LINEだとお互い探りあっちゃうというか」


日向「だからなるべく会うようにしてて」


4人のスケジュール合わせるのが大変そうだけど。


生形「時間の合間を縫って会う感じですね。ツアーが終わったら会って、制作が終わったら会って、みたいな」


村松「1シーズンに1回ぐらいのペースで」


今バンドとしては、いろんな想定外のことが起こって先の予定を決めるのも大変だと思いますが。


日向「そこはもうひたすら話し合ってますね。とにかくこの先どうなるかわかんないけど、とりあえず予定を組んで動いていこうとしてて。そのヴィジョンに向けてのすり合わせをやってます。それが実現するかどうはわかんないけど、とにかく動いていく。そこの意思確認だったり、話し合いだったり」


自ずとシビアな内容になりますよね。


大喜多「でも意外とシンプルですよ。やれることをやるっていうか〈これしかないじゃん〉みたいなものをはっきりさせる。だからシンプルだし、意見も出しやすいし」


生形「前向きですね、4人とも。とりあえずライヴハウスも押さえて、その時ダメだったらしょうがない、みたいな。とにかくアクションを起こしていく感じで」


どんな状況であれ、バンドとしてやるべきことっていうのはそんなに変わらないってことですかね。


村松「変わんないですね。たぶんコロナがあってもなくても、そこは腹括って独立したつもりだし、今みたいな状況になったらより自分たちができることをしっかりやるしかないし。自分なりに地に足をつけて活動したいから自分でやってるわけじゃないですか。お互いキツいかもしれないけど、頑張っていこうぜって思います」


こないだライヴハウスの人とも話して思ったけど、紙媒体もそうだしバンドもそうだけど、ものすごく原始的というか、時代遅れでアナログなことをやってるんだなって。


日向「でもそれが本来のあるべき姿だからね。密になることだったり、人と触れ合うことが大事だし、でもこうなった以上、臨機応変に対応すべきだとも思うし」


まさにこないだの配信ライヴがそれだったと思うんですけど。バンドとしては初の試みですよね?


生形「実はスタジオで配信ライヴって、初めてじゃないんですよ。『echo』を出した時かな? やったことがあって。で、今回もレコーディングスタジオでやってみようと思って」


ライヴハウスでやることは考えなかった?


生形「ライヴハウスの音はその場所で聴くべきものだと思ってて。常設してる機材も含め。で、レコーディングスタジオで出した音というのは、CDの音源に近いクオリティにはなるんで、ウチのバンドの場合はそっちのほうが合ってるんじゃないかと思って。ただ、今後またやるとしたらあえてライヴハウスでっていう選択肢も考えますけど」


実際、めちゃめちゃ音は良かったです。


生形「あと、お客さんのいないライヴハウスで、カメラに向かってっていう感じよりも、今回はもうちょっとストイックに音に集中してやりたいと思ったのもあります」


やってみてどうでした?


村松「一番思ったのは、4人で音を出せることが気持ちよかったってことですね。4ヵ月ぐらいライヴをやってないわけですから。このバンドでこれだけ長い期間、一緒に音出してないことなんて、たぶん1回もなかった」


日向「音デカ!って思ったよね(笑)。今までこんな爆音でやってたんだ、みたいな(笑)」


村松「やっぱ忘れてるんだよ」


日向「忘れてるね、完全に」


4ヵ月やんないだけで、そんなことまで新鮮に感じると。


生形「あと、少し緊張してましたね。特に1曲目とか」


日向「気合も入ってたし」


生形「でも達成感がすごいあって。配信だけど、ライヴをやったっていう実感はありました」


村松「あとやってみて確認できたのは、俺らが今まで10年以上やってきたことが、ちゃんと集約されてたことで。コロナでライヴができない、じゃあ配信でやりましょう的なとってつけた感じではなくて。それこそあれに関わってくれたスタッフの熱量もすごかったし」


一朝一夕でやれるライヴではなかったですね。


村松「つまり〈今これしかできない〉っていうよりも、ここまで続けてきたからできたことというか。そういうのを実感できたことが良かったですね」

バンド内で敵対することもあるし、俺らにもそういう時期はあって。でも、独立してからはそれがなくなって

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