『音楽と人』の編集部員がリレー形式で、自由に発信していくコーナー。エッセイ、コラム、オモシロ企画など、編集部スタッフが日々感じたもの、見たものなどを、それぞれの視点でお届けしていきます。今回の担当であるアラフォー編集者とnoodles・yokoさんが語り合う韓国ドラマコラム第4弾。テーマは〈韓国ドラマのOST〉についてです!
前回yokoさんにNetflixを勧めていただきましたが、ついに私もNetflixデビューしました!
「お! 何観た?」
契約して1ヵ月半くらいなんですけど、まず最初に『椿の花咲く頃』を観て、カン・ハヌルに完落ちしました(笑)。
「そうなんだ(笑)。まだ1話しか観れてないんだけど、これって時代設定が昔なの?」
いや、たぶん限りなく現代だけど、舞台が架空の田舎町で。至って普通の……まあ、町一番の金持ちだったり、プロ野球選手とかが出てくるんだけど、韓国ドラマによくある財閥とか上流階級と庶民みたいな構図もなく、恋愛が軸にはなってるけど、あくまでも市井の人々の物語で。
「なんかよさそうだね。ちょっとちゃんと観てみるね。あとは?」
『医心伝心〜脈あり 恋あり〜』と『賢い医師生活』。ただまだ『愛の不時着』にはたどり着けてなくて。
「えー、まだなの?」
『賢い医師生活』を観終わって、そのあと『〜不時着』と『梨泰院クラス』のどっちを観ようかなと思って、両方の第1話を観て。そしたら『梨泰院〜』が、もう第1話から面白かったんで、今『梨泰院〜』を観てます。まだ前半なんですけど。
「確かに『梨泰院〜』は、最初から引き込まれる展開だもんね。あとなんか『〜不時着』って、去年で言うところの『ボヘミアン・ラプソディ』化しちゃってるところはあるよね。もうみんなして『観た!』『面白い!』って言ってるじゃない」
『ボヘミアン・ラプソディ』化(笑)。それこそ、週刊誌の表紙にヒョンビンがなってたし、その1ヵ月後には、我らがパク・ソジュンも表紙になってて。それは思わず買いそうになっちゃったけど(笑)。
「あはははは。ここまで話題になると、観るまでのハードルが逆にあがっちゃうというか」
そう! だから、今さら韓ドラに対してオルタナ精神を出す必要もなんだけど、〈私はまだ観なくていいかな〉って気に若干なってる(笑)。
「でもね、久々に号泣したドラマだったし、ほんと面白いから。絶対観たほうがいいよ!」
はい、わかりました(笑)。yokoさんは、最近、何を観てます?
「Netflixじゃないんだけど、BSチャンネルで『ボーイフレンド』が始まったから、今それ観てる。で、最近観た中でダントツによかったのが『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』」
これはいいドラマですよねえ。重苦しい空気感の作品ではあるけど。
「そうだね。最初はタイトルからのイメージで、恵まれない境遇の主人公を足長おじさんが助けていくみたいな、韓国ドラマにありがちな内容かなと思ってたら、全然そうじゃなくて。おじさんも辛い境遇であったりして。救いのない内容ではあるけど、最終的には希望を感じさせるみたいな」
それぞれ救いのないものを持ってるけど、お互いの存在によって少しずつ希望を見出していく、人間ドラマとしての深さもありましたよねえ。主人公がIUちゃんで、おじさん役が映画『パラサイト』で社長役をやってたイ・ソンギュンさん。
「本当によかった。韓国ドラマを観始めた人にオススメするタイプの作品ではないけど、脚本がいいし、すごく印象に残るセリフも多いし。あと音楽がめっちゃくちゃよくて! やっぱ音楽がいいっていうのも韓国ドラマの魅力のひとつだなって思うな」
確かに、韓国ドラマって、挿入歌とか音楽を効果的に使ってるのが多いですよね。なので、今回は韓国ドラマのOSTについて話をしてみましょうか。
「いいねえ。けっこう気になった時はすぐメモしたり、YouTubeで探したりしていて。K-POPと違って、なかなか情報が日本に入ってこないような韓国の歌手とかアーティストを、ドラマを通して知ることができるのも面白いんだよね」
そうそう。yokoさんの中でOSTがよかったドラマを3つ挙げるとしたら?
「やっぱり『恋のスケッチ~応答せよ1988~』は外せないよね。ドラマとしてもすごい好きだけど、挿入歌もいい曲揃いで。あとは、さっきも言ったけど『マイ・ディア・ミスター〜』。もうひとつは……どうしよう……『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』かな。これも韓国ドラマを観始めた人にオススメするタイプの作品ではないけど、内容もすごい好きだし、何回もOST聴いたんだよね。でもこの3作品以外にもいい音楽のドラマ、たくさんあるんだよなぁ。『私たち結婚できるかな?』ってドラマ知ってる?」
や、観たことないですね。
「けっこう前の作品なんだけど、その主題歌だった〈Can't go on my own〉がすごいよくて、iTunesで買っちゃたもん。あと『メリは外泊中』の挿入歌で、M to Mってグループの人が唄ってるんだけど、〈彼女だから〉っていう曲もiTunesで買って何回も聴いてた。なんか日本のものとも、洋楽とも違う、韓国音楽の独特のメロディラインっていうのがあって。それが私としてはたまらないというか」
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叙情的なものが多いですよね。
「そうそう。ヒラバヤシちゃんが3つ挙げるとしたら?」
そうですね、まずひとつは、やっぱり『恋のスケッチ~応答せよ1988~』ですね。いい曲揃いのOSTですが、どの曲が一番好きですか?
「そうね、HYUKOH(ヒョゴ)のヴォーカルの人が唄ってる曲(〈少女〉。原曲は歌手のイ・ムンセによるもの)もいいんだけど、やっぱ〈君にあげられるのはただ愛だけ〉かな。メロディとかサウンドアレンジもいいんだけど、歌詞もすごいよくて」
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OSTはDECEMBERというデュオによるリメイクになりますね。
「そう。こっちはちょっとジャズっぽいアレンジなんだけど、原曲は、ピョン・ジンソプっていう歌手のもので、ちょっと70年代の井上陽水さんの曲に近い感じで。それを一時期すっごい聴いてたんだよね」
原曲まで遡ったんですね! 私は、「心配しないで、君」がすごい好きでしたね。同じく一時期、何度も繰り返し聴いてた。
「アコースティックのバラード曲だ。同じドラマのOSTでも、好きな曲が全然違うもんだね(笑)。でもほんと『〜1988』はいい曲が多いよね。あと2つは?」
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えっと、いくつかあるから悩むけど、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』かなぁ。主題歌含め、けっこう印象に残ってる曲が多いかも。あとは、直近で観たドラマっていうのもあるけど、『賢い医師生活』。これはぜひ観てほしいな。
「どういうお話?」
メインキャストが5人いて、全員40歳の医者で同じ医大出身で。その5人の日常を中心とした人間ドラマなんですけど、5人が同じ病院で働くことになったのをきっかけに、学生時代やってたバンド活動をもう1回やるっていう設定なので、1話ごとに必ずバンドの演奏シーンが入るんですよ。
「へえ、面白そう!」
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脚本と演出が、『応答せよ』シリーズを手掛けたチームなんで、絶対yokoさん好きだと思う。学生時代にやってたバンドをもう1度、っていう設定だから、90年代の韓国の音楽がかなり取り上げられてるんだけど、OSTもすごくいいんですよね。
「『〜1988』のスタッフが作ってるってことは、音楽の取り入れ方だったり、選曲がすごくいんだろうな。今度観てみるね! やっぱいい音楽に出会えるっていうのも、韓国ドラマを観るうえでのひとつ楽しみであるよね」
そうですね。『愛の不時着』と『梨泰院クラス』をきっかけに韓国ドラマにハマり始めた人には、ぜひドラマのOSTにも注目してもらえたらいいですよね。
「そうだね。K-POPとはまた違った音楽的魅力があって。ほんといい曲いっぱいあるから、ドラマきっかけにOSTも聴いてもらえたら、また楽しさが増える気がするな」
文=平林道子
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