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INTERVIEW
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東京少年倶楽部、初インタビュー。憂いと希望の狭間でロックを鳴らす、Vo・松本の思い

自分が置かれている状況が変わっていく中で、昔根強く持っていた否定感みたいなのが薄れていく感覚がある



高校を辞めて後悔しませんでしたか?


「自分がしたくてしたことなので、後悔はなかったですね。今思うと、当時の僕はあまりにも浅はかだったし、今になって気づくこともすごいあるんですけど……でも、結果的には音楽の道に進むことを決めて、そこに救われてる部分もあるというか。ちょっと話逸れるんですけど、僕はずっと否定感みたいなものが強かったんですよ。誰かを否定するとかじゃなくて、自分の考えに対しての否定感みたいなものがすごくあって」


自己肯定感が低いというか。


「そうです。すごく低かったんですけど、今まで音楽をやってきた時間の中で、お客さんが来てくれるようになったり、最近加入したgyary(ギター&キーボード)とかいろんな人に出会ったことで、過去の自分を肯定できるようになってきて。いい裏切りというか……自分が置かれている状況が変わっていく中で、昔根強く持っていた否定感みたいなのが薄れていく感覚があります」


そもそも、自己肯定感が低くなったきっかけは何だと思いますか?


「性格……じゃないですかね。それこそ〈1998〉っていう曲の冒頭で、〈降り続けた雨のせいでぬかるんだ道を苦労しながら歩いてきたはずだったな〉って唄ってるんですけど、本当にそんな感じの人生だったというか……とにかく性格から来てる否定感みたいなものがすごくて」


じゃあ、無意識に他人と自分を比べたりしますか?


「ああ、それもすごくあります。なんでこの人はこれができるのに、僕はできないんだろうとか」


私もそういうタイプなのでわかります。比べる必要なんて本当はないんですけどね。


「そうなんです。でも、音楽だと比べなくていいじゃないですか。机の上で、僕1人で歌詞を書いてるぶんには誰かにバカにされることもないし、打ち込めるというか……自分のことだけを考えてやれるのが、性に合ってるんだと思います。例えば……何かショックなこととかがあった時、人によっては友達と遊んだり、それぞれの形で気を紛らわす方法を見つけていくじゃないですか。僕の場合は10代の頃から、たまたま家で詞を書いたり、機材で曲をバーッて演奏することが、それだったっていうか」


うーん、なんか松本さんは音楽に出会えて本当によかったですね。お話を聞いてると、音楽が感情を吐き出すための重要な手段なんだなって思います。


「そうですね。自分の中で許せないと思うこととか、それは違うんじゃないか?って思うことも歌詞に書いていて……例えば、〈1998〉の〈革命を覚えたのは みんなが嘘をつき投げ散らかした恐怖を〉っていうところとか、10人中9人が正しいと言ったら、それが正しい考えとされる世の中に納得いってない部分が反映されてて。自分の枠組みの中で一番偉いとされている人間や、権力のある人間が言ったことが間違っていても、それを正しいとしなければいけない文化がすごく嫌で……僕、学校もそうだと思ってたんです。だから、自分が間違ってると思ったことに対しては、反論していきたいって思いが今も強く残ってて」


ちなみに、このコロナ禍で何か思うことってありますか? それこそ、ワイドショーやSNSでしょっちゅう論争が起きてたりするじゃないですか。


「そうですね、そもそもコロナの前からけっこう世の中が暗いと思っていて……空が曇ってる感覚に近いというか……。そう思う瞬間はあったけど、より暗くなっていった感じがして。今、家にいなければならない状況の中で(註:取材日は 5月11日)、サラリーマンの方も、僕みたいな人間も、常に曇り空みたいな感覚を持っていると思うんです。でも逆に、外に出るとか人と会うとか、そういうものがどれだけ大切だったのかをみんながわかれば……これは僕の願いでもあるんですけど、優しい世界になると思うんです。この状況の中で気づいた優しさというか……それを今度人と会った時に与え合えば、コロナが流行る前よりも曇りが晴れていくんじゃないかなって」


単に今まで通りの生活に戻ろうとするんじゃなくて、この期間に気づいたことは活かしていきたいですよね。


「そうですね。あとは僕の感覚的な部分も発信して、もっと共有していきたいなって思いました。それこそ、こういうインタビューだったり、音楽を通じて……今までは内に籠って詞を書いてきたので、いきなり人に向けて書こうとか、みんなを感動させてやろうって狙った歌詞になるかって言われたら、そうはならないんですけど……でも、この期間の中で見つけたものが、次の歌詞に絶対反映されてくると思います。実は次の曲をもう作り始めてて」


曲作りと言えば、インスタに「毎回遺作だと思って歌詞を書いて歌えたら素敵」って投稿されてて、ビックリしたんです。まだ若いのに、なんでこの人はもう終わりを見据えてるんだろう、不思議だなと思って。


「はははは」

 
 
 
 
 
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この先例えば子供ができたり孫ができたり、もし1人で一生を終えていったとしても、僕がどんな人だったのか問われた時に、残していく歌とか写真で語れたり、周りが語ってくれるような人生を生きれたらいいな 毎回遺作だと思って歌詞を書いて歌えたら素敵

松本幸太朗(@koutaromatumoto)がシェアした投稿 - 2020年 4月月5日午前4時43分PDT


例えば、松本さんよりもっと上の世代のアーティストの方だと、「毎回遺作だと思って作ってる」とか「これが最後のライヴかもしれないって思ってやってる」って発言がインタビューの中で出てくることもあるんですけど。


「僕、こういう思いをずっと持ってるんですよね……死への恐怖心っていうのが、何をする時にもあるというか。人間って、生きていられる保証がないじゃないですか。実は、今年母が病気になって、手術をすることになったんです。その時に、今まで母と自分が過ごしてきた時間の膨大さみたいなのに気づかされて……〈flipper〉に〈明日が来ないことを知って目を閉じる時その前になにを思うかな〉っていう歌詞があるんですけど……何を思うのかって、僕が今まで生きてきて、こんな浅はかな経験や見たものではまだ掴みきれないものだし、今後生きていく上で見出せるかっていうと、たぶん見出せないと思うんですよ。でも、一生をかけて見出せなくても、自分が音楽をやる上でそういうことを思ってたよってことは、一つの日記じゃないですけど、それこそ遺作だと思ってて。歌詞を書く時、その都度抱いてる最大限の感情みたいなものを写すことが多いんですけど、それは死っていうものが自分の中にいつもあるからかなぁって……今話しながらぼんやりと思いました」


自分の根っこにそういう思いがあったから、インスタであの投稿があったんですね。


「そもそも、僕10代の頃車に轢かれたことがあるんですよ。自転車に乗ってたら、車にバーンって。その時は多少の切り傷で済んだんですけど」


奇跡的ですね。


「はい。でも、死んでたかもしれないじゃないですか。それが15、16歳で音楽をやる前だったので……もし死んでたら、それこそ東京少年倶楽部もこの世にないし、僕が書いた詞とか、メンバーと一緒に作った曲とかもないし、メンバーとも会えてない。だけど、その時に何かを遺せてると、自分がいなくなったあとの世界でも……おこがましいんですけど、未来に何かを託すことができるんじゃないかなって」


音楽はまさにそうですよね。曲に込められた思いや覚悟っていうのは、例え曲を作った人がいなくなってしまったとしても、誰かの心の中で絶対に生き続けてる。


「そうなんですよね。自分が生きてたことを誰かに忘れられても、何もかも跡形がなくなくなっても、自分がこの世に生きてたってこととか……自分のちっちゃい世界が残せることって、素晴らしいなと思ってますね」


文=宇佐美裕世


NEW MINI ALBUM『空の作りかた』
2020.06.17 RELEASE

01 flipper
02 lollin’ lollin’
03 ぼくはかいじゅう
04 stand by me
05 西武新宿駅、改札を出て左
06 1998

アマゾンで購入
タワーレコードで購入
HMVで購入


Download/Streaming https://va.lnk.to/Tytx3LEM


東京少年俱楽部 オフィシャルHP https://tokyo-shonenn-club.jimdofree.com/

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