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INTERVIEW
  • #THE BACK HORN
  • #最新号

20周年を経ても変わらぬ生への渇望。最新作から見えたTHE BACK HORNの現在地

「なんでそこまで?」って言われるような欲望に気づけたことは、俺は表現者として、宝だなと思ってる




その感覚、以前なら〈戦え〉と表現してたと思うんだよね。今〈生きろ〉になっているのは、なぜなんですか。

「あぁ……どうだろう? 別に〈戦え〉って言葉を使わずとも、サヴァイヴしていくための言葉や曲は探してて。俺らが言う〈生きろ〉って、たぶん〈戦え〉と同義語に近い意味で。でも表現の中で、いろんな戦い方があるよね、っていう捉え方はできるようになったかもしれない。マツの書いた〈果てなき冒険者〉に〈「頑張れ」って言葉/刃のように鋭く〉っていう歌詞もあるけど、そういうの、俺らも重々わかってる。いまだに迷いそうになりますよ。〈生きろ〉ってどんだけ書いても〈いや、生きてるし〉って言われるかもなぁ、みたいな葛藤はあったりするし」

さっき〈メメント・モリ〉が〈カルペ・ディエム〉に変換されたって言ってたけど、それって死に対する感覚の違いじゃない? 若い頃ってリアルには死をイメージできないし。

「あぁ、年取って身体が変わっていくとか、普通に老眼になってきた、みたいな話? 俺まだ老眼にはなってねぇけど(笑)。うーん、死がリアルに近づいてきてる……っていうにはまだ半端だけどね、我々。俺、若い時は早くおじいちゃんになりたかったんだよね」

何それ?

「恥ずかしくて、若いのが。フレッシュすぎてさ。靴とかがピカピカの状態だとなんか恥ずかしいのと一緒で。早くこう、シワとか汚れとかついて、もっと味が出てほしかった。だから周りが老眼の話とかしてるといまだにちょっとガックリきてるの。〈あー、まだかぁ、まだ俺は甘いんだな〉みたいな」

ははははは! 今もおじいちゃんになりたいの?

「基本ありますけどね。アンチじゃなくて、エイジングしたい」

そんなこと言いながら〈全身全霊生きたがって叫ぼうぜ〉(「心臓が止まるまでは」)って書くのは、どういう感覚なんですか。

「……ねぇ? いや、これは俺、自分で書いててもすげぇなと思いましたよ。〈全身全霊で生きたがる〉って……生きることをほんと欲望として感じろってことだから。欲してるし、〈おい、もっとねぇのか?〉みたいな感じ。ほんと欲望剥き出し。生きてるってことを欲望してぇ、って言ってるわけだから」

……今、昔の歌詞を唐突に思い出しました。〈生きることに飢えている/だから生くのだろう〉っていう。

「あぁ、それ、『人間プログラム』の〈ひょうひょうと〉の歌詞。でもある種一貫してますよね。俺はそうなの」


なんでそんなに実感が欲しいんだろうね。

「ああ……でもバンドやり始めて発見した、自分の中にあったずっと言いたいこと、だったと思う。引き出された自分の本音っていうか。不思議ですよね。おじいちゃんになりたい、まったり生きたい、なんて言ってたわりに、〈今生きてるって渇望したい!〉みたいな。自分でも矛盾してるなと思うんだけど、でも音楽に引き出されてメッセージは出てきちゃうから」

若いのが恥ずかしい、味のある大人になりたいっていうのは、人の目があっての話だよね。でも生きてる実感が欲しいっていうのは、ちょっと恥ずかしいくらいの本音。

「そう。ほんとそれ。だから〈早くおじいちゃんになりたい〉っていうのは、社会性を伴った言葉でもあると思うんです。人と人との関係性の中で、これ俺が言ったら面白いかな、みたいなこと思って発言してたりもするじゃないですか」

はははは! 実はキャラ設定とか考えてたり。

「絶対そうだと思う、みんな。こんなキャラでこんな音楽やってる俺がこう言っちゃうのが面白い、みたいな。だけど、とにかく生きてる実感が欲しいっていうのは、普段は取り繕いきれない言葉。普通に社会生活してたら口には出せない自分の欲望なんですよ。俺は異常にそれを欲してた。人に言わせれば『なんでそこまで?』っていうような欲望に気づけたことは、俺は表現者として、宝だなと思ってる」

そういう本音を自分で発見した時、まぁ19歳とかだと思うんだけど、嬉しかったですか? それとも驚いた?

「驚きましたね。わりと淡々としてると思ってた、自分でも。俺、そんなに怒ったこともなかったし、笑うっつっても大爆笑みたいな人生ではなかったし。自分はそういう奴だとも思ってたから。〈生きることに飢えている〉っていう言葉が出てきた時に、うわ、俺と真逆じゃんと思ってびっくりした。バックホーンでステージに立って、ワーッと感情出す、そんな人生になるとはほんとに思ってなかったから」

静かな心の部屋を持ってて、そこが一番心地いいのかもしれない。でも人といたら、その場でしか生まれないものがあって

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