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再び4人でステージに立ったgo!go!vanillas。止まることなく進み続けてきたバンドの未来

text by 竹内陽香

go!go!vanillas<THE WORLD TOUR 2019>
10月11日 at Zepp Nagoya



ああ、この音だ。躍動的な低音を身体に感じてうれしくなる。牧達弥、ジェットセイヤ、柳沢進太郎、そして長谷川プリティ敬祐。やっぱりgo!go!vanillasはこの4人じゃないとダメだな。またこの4人の演奏を聴けてよかった。ただただ、そう思うばかりだった。


昨年12月から交通事故での怪我により療養・リハビリを続けてきたプリティの復帰ライヴとなった〈THE WORLD TOUR 2019〉後半戦の初日、Zepp Nagoya。会場いっぱいのファンが待ちわびる中、SEが流れて牧、セイヤ、柳沢に続き、ハーフパンツ姿のプリティが登場。特大の歓声と拍手が送られると、少し照れくさそうで、しかし満面の笑顔の、いつものプリティがそこにいる。セイヤの力強いカウントでライヴが始まった。春の〈LIVE! TO \ワー/ RECORDS feat. go!go!vanillas 〜新曲大解禁〜〉ツアーと、そのあとに行われたアルバム『THE WORLD』を携えたアルバムツアー前半戦は、3人の演奏にベースの音を同期する形でのパフォーマンスとなった。耳に入ってくるものはどちらもベースの音に変わりはないけれど、今ここで鳴っているのは間違いなくプリティの、牧の言葉を借りるなら「あったかいベース」の音だ。いつも以上に前のめり気味な牧が、心配そうにプリティのソロを見守る場面もあったが、そんな視線を吹き飛ばして、プリティは安定したベースを鳴らしていく。


数曲を演奏したあと、3人でライヴしていた頃を振り返り、「湿っぽいことはなくして楽しんで行きたい!」と今日の意気込みを語る牧。しかし、気合いの入った表情とは裏腹に「パラノーマルワンダーワールド」で、思わず歌詞に詰まってしまう。思えば彼はずっと気丈にバンドを引っ張ってきた。事故の起きた数日後に行われた取材でも、サポートを迎えた最初のライヴでも、力強い言葉を放ち、前だけを見ていた。周りの人を絶対不安にさせないようにというフロントマンとしての使命もあっただろうし、自分の心が折れないようにという心持ちもあったかもしれない。上を向いて流れるものをこらえ、あらためて真っ直ぐ見つめて歌を届けようとする牧の表情からは、ようやく4人でステージに立てた喜びと安心感が滲む。


『THE WORLD』は、楽曲の幅や自由度がとにかく高い作品であり、ロックバンドとしての意志を強く提示した一枚だった。人と人が音を重ね合うバンドだからできること、そこで生まれた音楽を聴いてくれる人と共有する。だからこそ、メンバー以外のベースでアルバムツアーを廻りたくないと、3人でライヴを行っていた。そして、4人それぞれが目配せをして、生の音がぶつかり合う今。セイヤのパワフルなドラムは、3人でのステージを経たことによってか、力強さの中にどっしりとした余裕が生まれた印象。柳沢のギターは繊細ながらもキレッキレで曲の世界観を彩っていく。約10ヵ月、溜まっていたものを遠慮なしに放出して、フロアを引っ張り上げていくメンバーたちの姿は、久々の4人での演奏だということを忘れさせるほどたくましかった。


「俺も唄ってもいいかー! みんなも一緒に唄ってくれー!」とプリティが叫んで「デッドマンズチェイス」へ。ステージの上もフロアもお祭り騒ぎ状態。そのテンションのまま熱のこもったプレイが続き、「No.999」を披露。牧が「予言のようだった」と語ったが、歌詞のひとつひとつが今のバンドの姿とそのまま重なる。すべてを出し尽くすような全力投球のパフォーマンスに身体が熱くなった。誰も止まらなかったし、諦めなかった。だからこの日がある。楽曲を包み込む大きな頼もしさと説得力は、何があってもその状況を楽しんで乗り越えてきた彼らのエネルギーそのものだ。


アンコールで再び登場したプリティは、待っていてくれた人たちに、あらためて復帰の報告と療養中の悔しさと感謝の思いを述べた。溢れるものを堪えきれずにTシャツの襟で拭い、セイヤがタックルで乱入して喝を入れ、進太郎と牧がプリティの会話の内容に突っ込む(笑)。笑顔に包まれる光景を見ながら、心が温かくなるのを感じる。そして、事故が起きて以降、最後まで演奏されずにプリティが戻ってきたら続きを演奏しようと約束していた曲が演奏される。必死に足を前に動かし続けた人たちも、祈って待つことしかできなかった人たちも、みんなでこの曲を一緒に唄うという約束は、どうなるかわからない日々の中で、すべての人にとって希望だったはずだ。4人の音と声に待っていたすべての人の声が合わさり、大きな渦となって会場いっぱいに広がった。


生きて足を踏み出し続ければ、必ず目の前に道が生まれる。ステージを去っていく4人、そして拍手を送る人たち。この4人なら、もう大丈夫だ。go!go!vanillasはこれからも止まることなく、ロックバンドとして転がり続けていく。そう確認した一日だった。



文=竹内陽香
写真=ハタサトシ


go!go!vanillas<THE WORLD TOUR 2019>

10月19日(土) BLUE LIVE 広島
10月20日(日) 高松 festhalle
10月26日(土) 札幌 Zepp Sapporo
11月9日(土) 新潟 LOTS
11月10日(日) 仙台 PIT
11月15日(金) 東京 Zepp Tokyo
11月16日(土) 東京 Zepp Tokyo
12月15日(日) ZEPP OSAKA BAYSIDE(振替公演)
※終了分は割愛


THE WORLD TOUR 2019特設ページ https://gogovanillas.com/feature/tour2019
go!go!vanillas オフィシャルHP https://gogovanillas.com/

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