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INTERVIEW
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BiSHのアユニ・Dによるソロプロジェクト、PEDRO。音楽を通して成長する少女の物語

いろんな世界を知って、こういう生き方もあるんだ、こういう生き方でも肯定されるんだっていうのがわかった



それって自分の見える世界とか感覚とかが、180度変わるくらいのことですよね。


「そうですね。でも生活も住む場所も食べる物も、全部変わったので、変わりたくなくても変わる宿命っていうか。そういう場所にいて、今は運よくいい方向に変われてるなって。環境に恵まれてただけだと思うんです。自分から変わろうと思って変わってきたんじゃないので。これをやらなきゃいけないとか、そういう強制的なものがないと私はたぶんダメなんです。自らこれをやろうとはしない、クズみたいな人間なんで」


でも周りから言われたことであっても、それを自分の中で受け入れて楽しめてるっていうのは、アユニさん自身がちゃんと変わろうって意識を持ってるからだと思いますよ。


「うーん、そうなんですかね。自分ではわかんないです」


あれやれ、これやれって言われて、自分の中で飲み込めない時ってやっぱりやらされた感が出ちゃうと思うんですよ。でもPEDROの音楽はそうじゃないし、この音楽をすごく必要としてる人の歌だなって感じました。


「ありがとうございます。たしかに、やれって言われて、あれもこれもきちっと決めなきゃって考えてやってる時は、すごい辛かったんです。PEDROも最初はそういう感じでやってて。だけど今回のアルバムはそういうこと考えないで、やりたいって思ったことを自分なりに好き勝手作らせてもらったので、楽しいっていう感覚でできましたね」


やらされてるんじゃなくて、自分がやりたいからやるっていう。


「はい。それに昔より楽観的になったのかなって思います。前まではどうせ死ぬし、頑張らなくていいや、周りも全員死んじゃえみたいな思いでやってたんですけど、今は、どうせ死ぬなら頑張るかっていう思考回路にはなりました」


正反対の考え方ですね。どうしてそう思えるようになったんでしょう。


「今までBiSHの世界だけで生きてきたんですけど、そこからちょっと外に出て、PEDROとして関わる人たちが増えて、その人たちのお話を聞く中で、考え方がすごい変わりましたね。音楽のカッコよさはPEDROでギターを弾いてくださってる田渕さんに教えてもらいましたし、ひとつのことを20年以上続けるすごさみたいなものも知って。今まではいろんなことを諦めてたんです。まあ、今も期待はあんまりしないように生きてるんですけど、でもいろんなものを諦めるってことはまったくなくなりましたね」


「アナタワールド」では、〈誰だって変えれるんだ 未来〉って唄ってますもんね。さっき言ったように、やらされてる感覚や諦めがあったら、こういう前向きな言葉は出てこないと思います。


「そうですね。BiSHに入って初めて作詞した曲とか、PEDROの前作の『zoozoosea』っていうミニアルバムとかは、〈人生はクソくらえだ〉みたいなヘイトばっか書いてたんですけど、今回はそういうのはあんまりないです。自然となくなってました」


そうやって変化していってる自分についてはどう感じてますか?


「ああ、たまに〈なんでこういうことしちゃったんだろう、こんなことしないのに〉って思う時はあります。例えば、今までだったら人が多い場所とかだと絶対喋んないのに、自分からめちゃくちゃ人に話しかけちゃったりして。ふと冷静になって〈あれ? 自分こんなんじゃないのに〉って。でも、昔の自分のほうが嫌いだし、今のほうが人生楽しいとは思えるし、もうこれでいいやって」


今の自分は好きですか?


「好きかどうかって言われたら今も嫌い……というかたぶん自分はずっと嫌いなんですけど、でも今のほうが気持ちが楽です。ずっと違う誰かになりたかったんです、今までは。でも今はそんなのないし、自分の存在をそこまで考えることがなくなったんですよ。自意識過剰だったんでしょうね、昔は。自分の発言ひとつでイヤになったり後悔とかすごいしてて。でもいろんな人と関わっていくにつれて、みんな自分が主人公の人生を歩んでるし、そこまで人のこと気にしてないっていうのがわかるようになって。あんま人から自分がどう思われるかとか気にしなくなったんです。だから、〈これで自分はいいのか?〉とかも思わなくなりましたね」


なるほど。でもいろんな人の存在を知って、関わっていくと、周りに合わせなきゃっていうふうにも、なっちゃいそうだけど。


「そうはならなかったですね。なんでだろう……いろんな世界を知って、こういう生き方もあるんだ、こういう生き方でも肯定されるんだっていうのがわかったからですかね。自分の人生で関わる人たちがいい人ばかりというか、否定しない人ばかりなので。BiSHのモモコグミカンパニーって子が、こないだのライヴで、『BiSHはグループだけど、6人の女の子がいたらそれぞれ違う方向見てるのが当たり前だし、それを否定しない』って言ってて。すごくいい言葉だなと。私の中で集団行動って、みんなでひとつのものを見て、そこに向かって一致団結しなくちゃいけないって思ってたので、あんまり好きではなかったんです。みんなと違う方向を向いてたらいけない、一緒じゃないといけない。そういう自分自身が否定してたことを肯定してくれる人間が身近にたくさんいるから、そういうふうになれたんだと思います」


周りと自分は違っててももちろんいいし、そういう違う部分を認め合うことが大事というか。まさに「EDGE OF NINETEEN」で唄ってる〈健全じゃない生き方を真っ当に〉ということですね。


「はい(笑)。周りからおかしいって言われても、それを続けてれば誰かしらは肯定してくれるんじゃないかっていう考え方になりましたね。今思えば、BiSHに入ったばかりの頃とかけっこうくじけそうになったこともいっぱいあって。それこそ辞めたいなって思う時も何回かあったんですけど、辞めなくてよかった。続けてきたから出会えた人もたくさんいるし、こういう自分でいいんだとは思えてないだろうから」


ツアーも始まりましたけど、そこでもまた新しい感覚に出会えそうですね。


「はい。初日だけ終えたんですけど、あんなに楽しい気持ちが多いライヴをしたのは初めてでした。今までは、これをやらなきゃいけない、これをこうしないといけない、みたいな意識をずっと持ってライヴをやってたんですけど、PEDROだと、音源どおりじゃなくてよかったり、その日しかできないことをやったりできるので。細かいとこまでピチッと決めなくていいんだっていうのがわかって、はじめはすごい緊張してたけど、今は荷が重たくないっていうか、楽しいです」


肩の力を抜いて、音楽を楽しめていると。あの、アユニさんってすごく真面目ですよね。


「そうですね(苦笑)。面白いこと何ひとつ言えてないですね」


いえ、そういうことではなくて! 与えられたものをきっちりやろうとか、こうしなきゃいけないっていう意識がとても高いじゃないですか。


「ああ、小学生の頃からなんですけど、人に怒られるのがすごい嫌いで。だから怒られないようにって生きてきた結果、枠からはみ出さないようになってしまったんですよね。でも最近はそうじゃなくていいんだなって。私が好きな音楽とかバンドとかを調べると、ジャンルのところにオルタナティヴロックって書かれてるものが多くて。その人たちって自分たちがオルタナティヴだと思ってやってないと思うんです、きっと。自分の中の普通をやってたらそのジャンルに分けられただけで。だから、枠にとらわれないもの、普通とは違うことをしててもこんなカッコいいんだっていうことも、音楽で学べました」


わかりました。最後に、今後こういうことをしてみたいっていう目標はありますか?


「野音でライヴをやりたいです。私の中で野音はバンドの通り道というか、聖地みたいなイメージなので。野音でやってるバンドのライヴを観てカッコいいと思うこともすごい多いので、PEDROでやりたいって思います」



文=竹内陽香
撮影=磯部昭子

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