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INTERVIEW
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ネクライトーキーの新作にある、素直な感情。なぜ飾らずにさらけ出せるのか

text by 竹内陽香

愛嬌たっぷりなメロディとポップなサウンドに反して、世の中に対する陰鬱とした感情が渦巻く歌詞。そのコントラストが魅力的なネクライトーキーは、2017年に結成されたバンドで、昨年リリースした『ONE!』が各地で話題となり、ツアーのチケットは全公演ソールドアウト。大型フェスへも出演し、上り調子の真っ只中にいる。新作のミニアルバム『MEMORIES』は、このバンドの首謀者である朝日(ギター)が過去にボカロP「石風呂」名義で発表した楽曲をセルフカヴァーした一枚だ。そこには、目につくものすべてに嫉妬して、唾を吐きつけるような当時の朝日の感情がどこまでも素直に吐き出されている。もっさ(ヴォーカル&ギター)のあどけなさが残る歌声やバンドの演奏も、荒削りで人間味に溢れていて、なんとも青臭い。初インタビューとなった今回、朝日ともっさは、自身の真ん中にある思いについて話してくれた。不格好でも、飾らない姿が一番美しいのだ。

(これは『音楽と人』2019年8月号に掲載された記事です)




もっさ「(7月号を見ながら)アラバキの特集があるー! 楽しかったなぁ〜」

大きいフェスへの出演も増えてますけど、今の状況はどう捉えてますか?


朝日「日々びっくりするばかりで。アラバキが決まった時も、〈え? 本当に?〉みたいな(笑)。実感が湧かなくて」

もっさ「ステージに出てようやく、〈あ、アラバキ出てる!〉ってなりましたね(笑)」

朝日「お客さんの歓声聞いて、心臓飛び出るかと思った。まさか、映画のワンシーンみたいな瞬間を体験する日が来るとは」


まさか、って感覚なんですね。


朝日「外からの評価って、自分じゃコントロールしようがないじゃないですか。だから自分に作れる一番いいものを作ろうってことだけをやってきたので、周りのリアクションとかは全然想定してなくて。もちろんたくさんの人に聴いてほしいっていうのは思ってましたけど」


まず自分が思ういいものを作ろうっていうのが先だったと。


もっさ「楽しいからやるって気持ちでずっとやってて。そうしてたらみんなが面白そうだねって気にしてくれて、みたいな」


朝日さんはもともとボカロPであり、コンテンポラリーな生活のフロントマンとしても活動されてますよね。それとは別にネクライトーキーを始めようと思ったのはどうしてですか?


朝日「コンテンポラリーな生活は、3ピースでシンプルなギターロックをやってるんですけど、宅録時代にやっていたような、面白い音をいっぱい使うのもバンドでやりたかったんですよね。で、やるなら女性ヴォーカルにしたいっていうのもずっと考えていて。もっさは昔、俺のボカロPの曲をカヴァーしてくれてたんです。それでもうひとつバンドをやろうって思った時に彼女に声をかけて」


もっささんのどんなところに惹かれたんですか?


朝日「単純に声がいいなっていうのがあって。でも決め手になったのは、もっさが以前組んでたバンドを観に行ったんですよ。その時、なんかダサくて」


ダサい(笑)。


朝日「バンドマンってステージに立つ時、何かしら着飾ったり作ったりするのに、そのまま出てきてパーって演奏して、MCとかもぐずぐずで。でも平然と帰っていって。音楽を信じてなきゃできない行動だなと思ったんです。音楽以外に対する興味のなさというか、演奏だけして帰っていく姿がすごいカッコいいなと思って。普通の人ならまずできないなって」

もっさ「相当ヤバいライヴだったんだろうなってそれを聞いて思いました(笑)」

朝日「まあ、MCもギターも下手くそやったけどなぁ。でも一切飾らない姿を見て、これは本物だって思いましたね」


どういうふうに見られたいとか、自分をこう見せようみたいな邪念がなかったというか。


もっさ「演奏すること以外、何したらいいかわからなかったっていうだけなんですけどね。ライヴハウスって演奏したらそれでいいんだろうって思ってたんで、ただ普通に喋って曲やって帰ったっていう(笑)」


でも人前に立つ時に普通でいるって一番難しいと思います。


朝日「そうなんですよね。でもそれができたら一番カッコいい。たぶん自分を実体以上に大きく見せるっていう行為が好きじゃないんです、俺も、もっさも。誇張したり、自分の実力以上のものを無理して見せるっていうのは違うなって思ってる」


曲を聴いても朝日さんの歌詞は着飾った言葉を使ってないですよね。自分の心境をそのまま吐き出してる印象があります。


朝日「そうですね。俺は歌詞でも曲でも、上手なものよりも、その人の人柄が無骨でもしっかり出てるもののほうが好きだなと思っていて。自分の作るものもそういう好みが出てるのかなって思います」


ひねくれてるし、世の中に対する恨み節もありますが。


朝日「今回の『MEMORIES』の曲は、作ったのが20代前半だったので、より恨み節でしたね(笑)。モテないとか……別にモテたいとは思っていないのに、モテないことに妙にイラついてて。で、そんな自分に一番イライラしてた。結局のところ自分に対してのイラ立ちなんですけど」


何もできない自分だったり、何もない自分に対して自己嫌悪に陥ってる曲も多いですよね。


朝日「何やってんだ俺は、みたいな。20代前半って音楽を作る以外は大して何もしてなかったので、何者でもないって思ってたからこそ、無意味に怒ってましたね」


そういう感情を曲にすることで、気持ちが落ち着いたりしていたんでしょうか。


朝日「きっとそうだったと思います。曲作ってなかったら、ネットで他人の悪口をずっと言ってるやつになってたかもしれないんで。ちゃんと出せる場所があってよかったなって」

いびつでも、これが自分たちの完成品ですって言いたいんです

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